【2018年度大会・総会のご案内】日本中世社会をどう把握するか

 昨今の歴史学は個々の研究者の関心・課題意識の個別・細分化を背景として、各研究分野の個別具体的な事象の解明が進んでいます。これにより具体的な成果を積み重ねている一方、個別分散化と対極的に歴史の全体像を提起するための議論は活発とは言えない現状にあります。本会創立時の中心メンバーの一人であった黒田俊雄氏による顕密体制論は、顕密仏教を中世仏教と位置づけることにより従来の宗派史や旧仏教・新仏教という把握を否定し、中世宗教史を中世国家史・社会論と共通の基盤で捉える途を開き、歴史を総体として把握する枠組みを提起しました。
 本大会では、顕密体制論の提起を受けて、中世仏教の教義・思想を論理的に明らかにするとともに、その社会的機能及び国家の宗教政策を実証的に解明されてきた平雅行氏に報告を依頼しました。今回は、院政期の仏教界の腐敗・堕落から始まったとされる仏教革新運動の要因として治承・寿永の内乱に注目するとともに、浄土教から誕生した在俗出家が中世社会に与えた影響について論じていただきます。報告は、顕密仏教の展開過程を仏教界内部の動向だけに収斂させるのではなく、国家・社会の総体の中で把握することで、日本中世の理解を深化させるものとなるでしょう。
 歴史学が個々の史実を総体のなかで捉え、現代認識を踏まえた構想力をもって全体像を構築する営為だとするならば、本大会が中世仏教史研究に留まらない歴史学研究全体の課題を考えるための議論の場となるよう、あらゆる時代・分野の研究に携わられる諸氏の積極的なご参加をお願いします。

報 告 平 雅行氏(京都学園大学)
「鎌倉新仏教史観と顕密体制論―浄土教史の再構築をめざして―」
コメント 大阪歴史科学協議会前近代史研究部会ワーキンググループ
日 時 2018年6月9日(土)
     総会 10:00~12:00  大会 13:00~17:00
場 所 関西大学千里山キャンパス 第1学舎5号館E402



関大最新版

※ 阪急千里線「関大前」駅下車、徒歩約10分。1-5 が会場の第1学舎5号館で、E402号教室は4階です。
※ 参加費(資料代)として500円いただきます。
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2018-05-04 : 大会 : トラックバック : 0
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2018年度大阪歴史科学協議会大会・総会

報 告:平 雅行氏(京都学園大学)
※総会・大会プログラム、大会テーマなどは、詳細が決まり次第、掲載いたします。

日 時:2018年6月9日(土)

会 場:関西大学千里山キャンパス第1学舎5号館E402

※〒564-8680 大阪府吹田市山手町3-3-35 TEL:06-6368-1121(大代表)
※交通アクセス
 ・梅田方面から:阪急千里線「関大前」駅下車、徒歩約10分
 ・JR吹田駅から:阪急バス「JR吹田北口」停留所より乗車、「関西大学」停留所下車

関大
2018-04-10 : 大会 : トラックバック : 0
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【2017年度大会・総会のご案内】沖縄アイデンティティーの形成と日米安保体制

2017年度大阪歴史科学協議会大会
「沖縄アイデンティティーの形成と日米安保体制―沖縄返還から冷戦終結前後まで―」

 
 日本国憲法施行70周年の今年、大阪歴史科学協議会は53回目の大会を開催します。
 一昨年、集団的自衛権の行使や自衛隊の駆けつけ警護を可能とする安保法制が成立しました。昨年度大会では日本の安保法制をめぐり中東を中心とする国際情勢と各国・各地域の民衆運動・市民運動を分析し、混沌とした世界史の現段階を歴史的構造的に把握することを目指しました。
 安保法制の施行により日米安保体制は新しい段階に入りました。多くの在日米軍基地を抱える沖縄では、1995年の米兵少女暴行事件を機に基地の過重負担に対して「島ぐるみ」でNOの声を上げる動きが高まりました。1996年、日米両政府によって普天間基地の返還が合意されました。しかし普天間返還の条件とされた県内への代替施設の建設は、辺野古への新基地建設となり、沖縄の負担軽減にならないことから辺野古新基地建設が政治の争点になり続けました。
 2014年の県知事選挙で辺野古新基地建設反対を訴える翁長雄志氏が当選し、直近の国政選挙でも新基地建設反対の民意が示されています。しかし、日本政府は民意と広範な抗議行動を無視して基地建設を強行しています。これに対し、翁長知事はあらゆる法的権限を駆使して政府の無法に抵抗しており、新基地建設反対については「オール沖縄」の民意がこれを支えている状況です。このような現在に至る日米安保体制と沖縄の民意との関係を歴史的に分析することが求められています。
 沖縄現代史研究者の櫻澤誠氏は革新勢力を機軸とした従来の沖縄史叙述を批判し、今日の「オール沖縄」状況の前史として80年代の保守県政に注目します。日米外交史を専門とする野添文彬氏は日本政府側が沖縄における米軍のプレゼンスを求めたとの観点から日米両政府の交渉過程を分析します。両報告を通じて、沖縄の政治諸勢力の複合的状況を踏まえながら、日米両政府と沖縄の相互関係を通じて保革を超えた沖縄アイデンティティーの形成を論じてみることが課題です。本大会が現在につながる冷戦終結後までの時代を展望しうる、現代史研究の新しいステージを目指す議論の場となるよう皆様の積極的な参加をお願いいたします。

報 告:
櫻澤 誠氏(大阪教育大学)
「戦後沖縄政治史の再検討―西銘県政の歴史的位置をめぐって―」
野添文彬氏(沖縄国際大学)
「沖縄米軍基地と日米安保体制 1972-1995年」


日 時:2017年6月10日(土) 
    総会 10:00~12:00  大会 13:00~17:00

場 所:関西学院大学西宮上ヶ原キャンパス F号館203号教室


関西学院大学キャンパスマップ

※ 阪急今津線「甲東園」駅、「仁川」駅下車徒歩12分。①が大学正門、⑬が会場のF号館で、203号教室は2階です。
※ 参加費(資料代)として500円いただきます。
2017-05-12 : 大会 : トラックバック : 0
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【2016年度大会・総会のご案内】帝国主義の現段階と平和・民主革命の新たな可能性

日本国憲法公布70周年の今年、大阪歴史科学協議会は52回目の大会を開催します。
 昨年9月安全保障関連法は強行採決されましたが、法案の審議過程において、さらに法律成立後もより一層憲法の平和主義と立憲主義を擁護する運動が高まっています。その国民的運動のなかにおいて、若者が新しい形で運動を先導したこととともに、学者・研究者が従来になく広範に立ち上がっていることも注目され、歴史学が果たす役割が問われています。
世界史の現段階を把握するとともに、諸地域・諸階層の思想と運動がいかに新しい局面を切り開いていけるかの展望を示すこともまた、歴史学の重要な役割といえるでしょう。
 世界史の現状は、中東におけるテロ・内戦と欧米諸国による空爆が事態を混沌とさせ、大量の難民が欧州に押し寄せ、テロの拡散も懸念されています。中東近現代史研究者の栗田禎子氏は、今の事態を、欧米による中東の「再植民地化」とこれに抵抗する2011年の中東革命、その後の反革命状況と捉え、日本の安保法制と中東との関わりを指摘します。そのうえで日本における憲法を守る運動を世界史の位相で捉える報告をしていただきます。
 日本現代史研究者の上野輝将氏には、21世紀に入ってからの日本における市民運動を俯瞰した上で、安保法制反対運動の可能性と世界の市民運動との比較について報告していただきます。現代世界を歴史的にいかに把握するか、大会が有意義な議論の場となるよう皆様の積極的な参加をお願いいたします。

報  告  
栗田禎子氏(千葉大学)「危機のなかの中東・世界・日本と「平和・民主革命」の可能性―歴史的位相と展望を探る (仮)」
コメント 
上野輝将氏(元神戸女学院大学)「日本現代史研究から-個人を主体とした市民運動の役割・世界的な連鎖をどう見るか」

日 時 2016年6月11日(土)
      総会10:00~12:00  大会13:00~17:00
場 所 関西学院大学西宮上ヶ原キャンパス F号館203号教室

      ※ 下記の地図①が正門、⑬が会場のF号館になります。

関西学院大学キャンパスマップ
2016-05-13 : 大会 : トラックバック : 0
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【2015年度大会・総会のご案内】新自由主義と現代歴史学の課題

 戦後70年をむかえる本年、大阪歴史科学協議会は、51回目の大会を開催します。
 この1年、日本の政治と社会をめぐる動きは、楽観を許さない状況をむかえているように思われます。改憲問題、戦後70年に際しての首相談話をめぐる議論、沖縄・辺野古への基地移設問題、集団的自衛権をはじめとする安保法制整備の問題など、戦後日本の平和と民主主義を規定してきた枠組みが大きく揺さぶられています。とりわけ、現政権の歴史認識が問題となっており、慰安婦問題をめぐる対応、教科書検定における政府見解の強要などの、いわゆる歴史修正主義的傾向に対して、国内外から批判が寄せられています。また大阪に即していえば、大阪都構想自体は住民投票で否決されたものの、府市統合を前提として進められてきた一連の政策について、引き続き注視することが必要です。
 このように複雑で困難な状況の下で、歴史学研究の可能性が改めて問われています。大会では、日本と世界をめぐる諸問題の根幹の一つである、新自由主義の問題をめぐって積極的に発言をされている小沢弘明氏をむかえ、新自由主義の時代と歴史学研究の課題をめぐる報告を行っていただきます。歴史的存在としての新自由主義の成立と展開に注目し、それが日本にどのように導入され作用しているのかについて、「同意調達」の観点から議論を展開する小沢氏の論点は、歴史学をふくむ知のありように及んでおり、歴史学研究の今後を考える上で重要な提言といえます。またコメントでは、小沢氏の報告を受けて、地域史研究および若手研究者の現在行っている研究が、現代社会といかなる関係で切り結ばれるのかという点をめぐって、それぞれの立場から論じます。現代と歴史学の関係という包括的な課題をめぐって、大会が有意義な議論の場となることを念願しています。皆さまの積極的なご参加をお願いいたします。

報 告  小沢弘明氏(千葉大学)「新自由主義時代の歴史学―下からのグローバル・ヒストリーについて―」
コメント 松岡弘之氏(尼崎市立地域研究史料館)・小野塚航一氏(神戸大学)・北野智也氏(大阪市立大学)
日 時  2015年6月13日(土)

総会10:00~12:00  大会13:00~17:00
場 所  関西学院大学西宮上ヶ原キャンパス F号館203号教室
※ 阪急今津線「甲東園」駅、「仁川」駅下車徒歩12分。①が大学正門、⑬が会場のF号館で、203号教室は2階です。
※ 参加費(資料代)として500円いただきます。

関西学院大学キャンパスマップ
2015-05-19 : 大会 : トラックバック : 0
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