【4月例会】「乳」からみた近世社会の女の身体・子どものいのち

拝啓、すっかり春らしい季節となってまいりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
ところで、下記の通り4月例会を企画しました。お誘い合わせのうえ、奮ってご参加ください。

報 告:沢山 美果子氏(岡山大学)
     「「乳」からみた近世社会の女の身体・子どものいのち」


日 時:2015年4月19日(日)13:30~17:00

場 所:クレオ大阪中央 研修室1
(地下鉄谷町線「四天王寺前夕陽ヶ丘駅」1・2番出口から北東へ徒歩約3分)

〈報告要旨〉
 本報告では、女の身体と子どものいのちの結節点にあるとともに、近世社会にあっては、赤子のいのちを繋ぐ命綱であった「乳」に焦点をあて、近世社会の女の身体と子どものいのちをめぐる問題を考える。報告者は、これまで出産や女の身体に焦点をあて女たちの身体観を軸にや性と生殖の問題を、さらに生殖の最終局面にある捨て子に焦点をあて子どものいのちの問題へと考察をすすめてきた。その性と生殖からいのちへの関心の深まりのなかで浮かびあがってきたのが、「乳」というテーマである。
 
 女の身体から分泌される乳は、近世社会にあっては、子どものいのちを保障するうえで不可欠のものであったが、乳の問題は、人口の再生産をはかる藩にとっても重要な位置をしめていた。藩の出産管理政策のなかでは乳の出ない女の調査や催乳薬の支給などもなされ、また捨て子禁止政策で捨て子が発見されたときにまずなされたのは、捨て子に乳を与える処置であった。その背景には、産む性である女性の出産による死亡率の高さや、乳児死亡率の高さといった女と子どものいのちをめぐる状況があった。その意味で乳に焦点をあてることは、この一人ひとりの女と子どものいのちをめぐる問題に具体的に接近すると同時に、その一人ひとりのいのちを守るためになされた人々の動きを浮かび上がらせる手がかりとなる。
 
 また乳の問題は、人々の生殖パターンや出生コントロールを明らかにするうえでも重要な鍵となる。歴史人口学の研究成果によれば、近世の農民の場合は、授乳を長期間行うことで出生間隔をあけるスペーシングという出生コントロールがなされていた。しかし、武士の場合には、乳母を雇うことによる頻産という生殖パターンの違いもみられ、乳の問題は、これら武士と農民の生殖パターンや出生コントロールの問題にせまるうえでの手がかりをも与えてくれる。

 報告では、乳に焦点を当てることで、女の身体と子どものいのちをめぐって、どのようなことが明らかになるのか、具体的な史料をもとに、その見取り図を描いてみたい。

クレオ大阪
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2015-03-31 : 例会 : トラックバック : 0
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